タイトルの『千円札は拾うな。』とは、落ちている千円札=目先の事柄や自分が持っている常識という固定観念を意味し、それを捨てることによって自分の大いなる成長やより価値あるものを手に入れようという事を意味しています。
この『千円札は拾うな。』は、下記のアインシュタインの言葉から始まる。
「常識とは、十八歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう」―アインシュタイン
確かに今の自分の「常識」を作っているのは、これまでの自分自身の経験や体験から学んだことである。はたして、それが正しいのか間違っているのか。答えはわからないが、それを頼りに生きていくしかない。もし、その常識が間違っていたらかなり損をしているかもしれない。また、間違っているとわかっても、年を取れば取るほどその間違いを素直に直すことができない。
この『千円札は拾うな。』は、変えようと思ってもなかなか変えられない、自分の固まった常識を無意識レベルで変化させる一つのきっかけとなるかもしれません。
「常識や目先のことにとらわれ、本当に大事なことをおろそかにしない。」この一点に対し、必要ないと思われるものを、ズバズバ切り捨てていく切り口も潔く、ある意味気持ちよく読める経営哲学の本です。
一つの物の見方・考え方としては、とても面白く読める本だと思います。
【著者】 安田 佳生
【出版社】 サンマーク出版