有罪?無罪?日本の裁判制度の現実を痛烈に風刺する『それでもボクはやってない』

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それでもボクはやってない

それでもボクはやってない(映画・DVD) 現在の日本で誰もが、巻きこまれる可能性がある電車内での痴漢。
電車を使って通勤・通学している人であれば、今日にでも起こりえることである。

タイトルから、内容を観るまではなんとなく、コメディーを散りばめたエンターテイメント的な映画かと思っていたが、内容はまったく違った。

この『それでもボクはやってない』は、深く・重いストーリーで日本の裁判制度や裁判の仕組み、警察や検察のあり方を問う、とても考えさせられる映画でした。

本当にやっていない無実の罪でも、それを証明できなければ有罪になる。あたり前のことだが、いざそれが自分の身にふりかかってきた時、きっとどうすることもできなくなってしまうと思う。

主人公の言葉として、「裁判は真実を証明するところではなく、検察側と弁護側が証拠を出し合い、判断する場所にすぎない」といったようなフレーズがある。
まさに、真実は自分のみしかわからない。中国の故事で『李下に冠を正さず』という言葉があるが、自分自身の行動や言動に気を配り、自分は自分自身で守るしかないんだなあと考えさせられました。

ストーリーとはまったく関係ないが、個人的によかった場面がありました。
場面は第一回公判の時。警察に引かれて入廷してきた被告人である主人公の手にされている手錠を、はじめて目の当たりにした母親があらためて「自分の息子がこんなことに…」と見ている。手錠を見られていることに気づいた主人公が、恥ずかしく・情けなく思いながらチラッと母親の顔を見たときに、母親が見せた「気にすることないよ。大丈夫だよ。」という想いをこめた“微笑”に思わずグッときました。
いつの時でも母親であったり家族というのは、ありがたいものだと思いました。

Shall We ダンス?』の周防正行監督が3年もの取材をして作り上げた作品。この『それでもボクはやってない』を観て、多くの人が日本の裁判制度を考え直すいい機会になればいいと思います。

【あらすじ】
ある朝、フリーターの金子徹平は会社の面接に向うため満員の通勤ラッシュの電車に乗り込む。
その通勤ラッシュの電車の中で、金子は女子中学生に痴漢と間違えられてしまう。
無実の主人公はちゃんと話せばわかってもらえるとその場の状況に従うが、話はどんどん自分が犯人の方向で進んでしまう。
当然納得がいかない主人公は、「ボクはやってない」と訴え続けるが、現実はとうとう裁判へと…

【監督】 周防正行

【出演】
金子徹平(被告人) … 加瀬亮
須藤莉子(新人弁護士) … 瀬戸朝香
斉藤達雄(被告人の友人) … 山本耕史
金子豊子(被告人の母) … もたいまさこ
荒川正義(主任弁護人) … 役所広司

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