本当にあった実話だけに、内容にとてもリアリティーを感じた。
ただ、そのリアリティーを追求した代償だと思うが、CMを観て期待したほどのエンターテイメント性がなかった感があり少し残念だった。
『幸せのちから』は実話ゆえ、最後の結末はわかっている映画だけに、ハラハラ感やドキドキ感などの演出やクライマックスへ向けての盛り上がりがあると、映画としてはもっとよかった気がする。
しかし、そういった過剰な演出がなかったことが、逆に主人公クリスのどうにもならない現実を、素直に自分自身に重ね合わせて観ることができた。
それにしても主人公のクリスはすごい!
人間あそこまで追い込まれたら、どんどんマイナスの方向へ転げ落ちて行き、先に心が折れてしまうと思う。その状況でなんとしても頑張ろうと踏ん張るのは容易ではない。
人間の本当の強さは、逆境に追い込まれたときに発揮できる強さだと思う。そういう強さを持った人だけが成功をするのだろう。「今は忙しいから」「また後で」自分に対して言い訳ばかりをしている自分が恥ずかしくなりました。「これが本当に限界?」自分自身に問いながら、やれることを精一杯やらなくてはと反省させられる映画でした。
新しく何かに挑戦しようとしている人、これが自分の限界だとあきらめている人。
この映画『幸せのちから』をおすすめします。
※ウィル・スミス演じるクリスの息子役ジェイデン・クリストファー・サイア・スミスはウィル・スミスの実の息子です。
【あらすじ】
医療機器の販売員をしながら妻と息子と生活をしている主人公のクリス・ガードナー。
仕事は上手くいかず、家賃や生活費を払うこともままならず、苦しい生活を送っていた。
ある日ひょんなことから知った証券会社への就職の道。難関だが、養成コースを受講すれば正社員への道があることを知り挑戦することを決意する。
しかし、妻のリンダは苦しい生活に耐えられず、家を出て行ってしまう。息子と二人で生きていくことになったクリスに様々な困難が立ちはだかる…。
ホームレスから億万長者へとアメリカンドリームを実現させた男の、実話をもとにしたストーリー。
【監督】 ガブリエレ・ムッチーノ
【出演】
クリス・ガードナー … ウィル・スミス
リンダ … タンディ・ニュートン
クリストファー(息子) … ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス