この『フラガール』は、常磐ハワイアンセンター、今のスパリゾートハワイアンズができるまでの実話を元にした映画ということで、ちょっと興味があって軽い気持ちで観始めました。
興味本位で観ていて、すごくいい意味で裏切られました。
どうしょうもない現実との戦い。当時、「時代」という壁が多くの思いの前に立ちはだかっていたのを痛感しました。ただ、それが重苦しいだけのストーリーでなく、前向きな強い希望や将来への意思を感じることができるもので、とても感動しました。（個人的に泣いてしまったシーンがたくさんありました）
フラガールの1人である谷川紀美子（蒼井優）の母親も雰囲気があってとてもよかった。頭ごなしにしていた反対から、娘の練習を見て変化していく心境すべてに、娘を深く愛する気持ちが感じられ、ストーブのシーンでは涙なくして観れなかった。
また、ダンスの先生役を演じる松雪泰子が、誰もいない教室で1人練習するシーンは鬼気迫る迫力があり、演技を超えたものを感じ、圧倒されてしまった。
出演していた全ての人の演技に不思議な迫力を感じた。ストーリー自体も感動したが、それと同じぐらい出演者の演技にも感動することができる、一味違う映画だったと思う。
【あらすじ】
昭和40年、本州最大の炭鉱・常磐炭鉱では大幅な人員削減が迫り、かつての基幹産業としての隆盛は見る影もなくなっていた。そんなまちを救うため、この北国に“楽園ハワイ”を作り上げるという起死回生の一大プロジェクトが持ち上がる。目玉はフラダンスショー。盆踊りしか知らない炭鉱娘にフラダンスを教えるため、東京からダンス教師が呼び寄せられた。
元花形ダンサーで気位の高いその女性は、最初は炭鉱や素人の炭鉱娘たちを馬鹿にするが、やがて少女たちのひたむきな熱意に、忘れかけていた情熱を再燃させる。ひとりひとり厳しい現実を抱えながらも、炭鉱娘たちは友情を支えに強く美しくフラダンスの真髄を体の中に染み込ませていく。
【監督】 李相日
【出演】
平山まどか … 松雪泰子
谷川洋二朗 … 豊川悦司
谷川紀美子 … 蒼井優
熊野小百合 … 山崎静代（南海キャンディーズ・しずちゃん）
吉本紀夫 … 岸部一徳
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